脱力系ラブコメ(ラブ薄め)「石井あゆみ短編集」
今年の7月に出た「石井あゆみ短編集」を読みました。
面白かったです(^ω^)
石井あゆみ先生は、現在アニメ化とドラマ化で話題の「信長協奏曲」の作者でもあります。
収録作品
2005~2007年に「少年サンデー超増刊」に掲載された作品を中心に、さらに古い投稿作品まで収録されています。
- シローくんとつぐみちゃん(少年サンデー超増刊 2005年9月号掲載、デビュー作)
- 大和と童子(少年サンデー超増刊 2006年3月号掲載)
- 佐助君の憂鬱(少年サンデー超増刊 2005年1月号掲載、まんがカレッジ2004年入選)
- なぞの少年(少年サンデー超増刊 2007年9月号掲載)
- 妙林寺の注くん(未発表作品、小学館新人コミック大賞 少年部門佳作)
- 悩める単細胞(未発表作品、投稿作品)
さらに、各話の最後には1ページずつ簡単なコメントとイラストの描き下ろしが収録されています。
感想
全体的にラブが薄めのラブコメで、「信長協奏曲」よりも脱力感がありました。
特に「シローくんとつぐみちゃん」「なぞの少年」が好きです。
「シローくんとつぐみちゃん」は、登下校にかかる時間がもったいないという理由で学校に住み着くシローを、まるでばあやのように世話をするつぐみの話です。つぐみは、シローが学校に住み着いていることが先生やクラスメイトにバレないように朝一で起こしに来たり、夜の見回りからシローを守ったりします。そうやってつぐみは一生懸命シローに尽くすのですが、シローのほうはいつもボーっとしていて手ごたえがありません。つぐみも可愛いのですが、シローのぼさっとしている感じが母性本能をくすぐります。面倒見たい。
投稿作の「悩める単細胞」はご本人が言うには「コミックスに載せるレベルじゃないと思うんですが・・・」とのことですが、普通に雑誌の読み切りとして載っててもおかしくないレベルでした。
石井あゆみ先生の作風
友人に勧められて初めて「信長協奏曲」を読んだときも思ったのですが、絵柄が男性漫画家っぽい。作者名を石井あゆみだと確認してもなお「立原あゆみ的なやつでしょ。男性だよね」としばらく思い込んでました。
主人公は男のときもあれば女のときもあるんだけど、ストーリーも男性が作りそうな感じなんですよね。不思議。
いったいこれまでにどんな漫画を読んできたのか、いろいろ気になる漫画家です。
短編集について
連載を持っている漫画家の短編集が発売されることはあまりないですよね。連載作を執筆しながら別の短編を描くのはほぼ無理でしょうし、そこそこ売れている漫画家の短編集じゃないと売れないというのが理由でしょうか。さらに、人気漫画家であっても、連載を持つのが早くて過去に描いた短編の本数が少なかったりしそうですよね。
石井あゆみ先生には、信長協奏曲の連載が終わってからでもいいので、また短編を描いて欲しい。