ますメモ

おもに漫画について思ったことを書きます。本の感想もときどき。

地図が楽しい絵本 「ピッキーとポッキー」

小さい頃大好きだった絵本のうち、最近買い直したものを紹介します。

「ピッキーとポッキー」です。

幼児向けの絵本です。

ピッキーとポッキー (幼児絵本シリーズ)

双子(たぶん)のウサギのピッキーポッキーが友達のふーちゃん(モグラ)と一緒にお花見をしに行くという話です。

朝起きてお弁当の用意をし、丘の上の桜の木を目指します。

 

どのページもウキウキワクワクするのですが、この絵本の一番好きな点は、最初のページに地図が載っているところです。

ページをめくるたびに地図を見返して「ふんふん、今ここを歩いてるのね」「今ここで遊んでるのね」「モグラトンネルはここにつながっているのか」と確認しながら読むのが本当に楽しいんです。

(地図があれば本の中に出てこないお話を自分で空想できるので、絵本を読み終わった後も地図をじっくり見て楽しめますし。)

 

ピッキーとポッキーはウサギなのでお弁当は人参まるごとだったり、人参を葉っぱで巻いただけのものだったりします。他にはすみれのサンドイッチなど実際に作ったらあまりおいしくはなさそうですが、絵で見ると「わ~っ♪」ってなります。

 

2冊目 

続編も出ていまして、こちらは海水浴をしに海まで行く話です。川沿いのお店で物々交換をしながら筏で川を下ります。

こちらも最初のページに地図が載っています。

ピッキーとポッキーのかいすいよく (幼児絵本シリーズ)

ピッキーとポッキーのかいすいよく (幼児絵本シリーズ)

 

 

嵐山光三郎さんと安西水丸さん 

作者の嵐山光三郎さんは元々は雑誌「太陽」の編集長で、イラストレーターの安西水丸さんとはその当時からの友人だそうです。

安西水丸さんは残念ながら今年の3月に71歳で亡くなりました。仕事中に脳出血で倒れたようです。

そのときの 嵐山光三郎さんの記事が朝日新聞に載っています(私は会員じゃないので全部読めてません)。

安西水丸さんは村上春樹作品の挿絵などでも有名ですね。

 33年後に新作

「ピッキーとポッキー」は1976年発行、2冊目の「ピッキーとポッキーのかいすいよく」は1980年発行です。そして、なんと33年後の2013年に3冊目が発行されました

ピッキーとポッキーのはいくえほん おしょうがつのまき (日本傑作絵本シリーズ)

ピッキーとポッキーのはいくえほん おしょうがつのまき (日本傑作絵本シリーズ)

 

こちらは前作とは少し違っていて、ピッキーとポッキーが他の動物達と俳句を作ります。俳句と言っても季語は全く無視しており、5・7・5を楽しむものです。子供たちが気軽に自分で俳句らしきものを作って親しむというコンセプトなのでしょう。

前作から33年経っての新作です。なぜ今になって?と思います。

勝手に想像してみます。「ピッキーとポッキー」を読んで育った子供が大人になって福音館の編集者となり、この企画を進めたのかもしれません。もしくは、70歳を超えた嵐山さんと安西さんが「もう一度二人であれを描いてみないか?」と話し合って決めたのかもしれません。

 

どういう理由にしろ、大好きなピッキーとポッキーの新作は本当に嬉しかったです。なんとなくAmazonのサイトで検索したときに見つけて、すごくテンションが上がりました。