ますメモ

おもに漫画について思ったことを書きます。本の感想もときどき。

タイムスリップ歴史モノの醍醐味

少し前の週刊漫画TIMESに掲載されていた「信長のシェフ」第94話について。

夜中に読んで泣いてしまったので紹介します。

週刊 漫画TIMES (タイムス) 2014年 8/15号 [雑誌]

週刊 漫画TIMES (タイムス) 2014年 8/15号 [雑誌]

 

信長のシェフ」は、現代のシェフであるケンがなぜか戦国時代にタイムスリップしてしまい、織田信長のおかかえシェフになって、その時代の食材を駆使しつつ歴史に関わっていく話です。

現在10巻まででています。

信長のシェフ 10 (芳文社コミックス)

信長のシェフ 10 (芳文社コミックス)

 

 10巻には第80~88話が収録されており、今回紹介する94話は来月発売の11巻に収録されます。なので、単行本派の人はネタバレがあるので注意。 

 

第94話は小谷城の戦いの終盤

秀吉とケンが、織田信長の妹である市を引き渡すように浅井長政を説得します。抵抗する市。それに対して長政は「婚家の血を守らずして、何が戦国の世のおなごか!!」と恫喝します。それが芝居であると分かってしまった市は、長政の思いを汲み取って信長の元に戻ることを決意します。

ココでひと泣き (つд⊂)

 

市が城を出て行った後、長政が、もっと早くに市を織田家に返すべきだったのに市の言葉に甘えてしまったことを悔やみます。そして説得しに来てくれたケンに感謝します。それを見たケンは長政に未来から来たことを明かします。

そして、ケンの話を軽く流そうとする長政にこう言います。

「これからしばらく後に、太平の世が参ります。二百六十年と続く戦のない太平の世にございます。その礎を築くのは、茶々、初、江。浅井の血を引く三人の娘御にございます。どうか心安らかに、お逝き下さいますよう」

 

ココで涙があふれてきてしまいました。(TдT)

浅井三姉妹は後に、豊臣秀吉京極高次徳川秀忠に嫁ぎます)

多くの漫画やドラマの中でこのシーンが描かれるたびに読者はこのことを長政に教えてあげたかったと思うんですよね。それを登場人物に言わせることができた。これぞタイムスリップものの醍醐味ですね。

しかも、歴史を変えて救うのではなく、自害することを覚悟した長政の無念さを救ったわけです。素晴らしい!